お母さんに言われたたくない「NGワード3種!」
1番信頼している「お母さん」から言われた言葉で自信や自己肯定感を失ってしまう子供たちがいます。
そんなNGワードには、以下の3つのいずれかが含まれるという共通点があります。
さて、それは何でしょうか?
NG1: 強要 「〇〇しなさい!」
「勉強しなさい」と言われた瞬間、勉強する気を失ってしまった経験は誰しもあると思います。
「本人がやらないといけないとわかっていること」、「自主的にやろうとしていること」に対して、「〇〇しなさい!」と強要する言葉は、子供の意欲・自尊心・自主性を奪ってしまいます。
NG2:他者との比較 「〇〇はできるのに...」
「〇〇はできるのに、どうしてあなたはできないの?」
人それぞれ、「得意不得意」、「ものごとを習得するまでのペース」は異なります。
比較され続けることで、「自分の基準を持つこと」、「自分のやりたいことを見つけること」、「自分らしく生きること」ができなくなってしまいます。
NG3: 否定 「だからあなたはダメなのよ」
例えば、「テストの点数や成績が悪かったとき」や「部活など勝負事で思うような結果が出せな買ったとき」、本人の人格や存在を否定する言葉は絶対にNGです。
結果が出せなかったのはプロセスに原因があり、必ず改善する方法があります。
もし、この場面で本人自体を否定する言葉をかけてしまった場合、「問題を認識して解決するスキルを習得するチャンス」「成長する機会」「もう一度挑戦するエネルギー」を奪ってしまうことになります。
結果がでなくて1番辛いのは本人です。
結果ではなくプロセスに注目する視点が必要です。
接し方の原則
相手を一人前の人間として認め、大人と接する時と同じ言葉遣いで接することが大前提です。
オススメ!NGフレーズを効果的な表現に言い換え!
ついつい言ってしまいがちなNGフレーズをピックアップし、相手に適切に思いや願いが伝わるための言い換えフレーズの提案をしてみました。
考え方は、上司と部下、先生と生徒、ビジネスでは顧客との関係にも応用できるものだと思います。
「あなたのためだから」
「あなたのためだから」は、よく言ってしまいがちなフレーズですが、本当に相手のためでしょうか?
「あなたのため」と習いごとや勉強を熱心に勧める背景には、親である自分が学校や仕事で悔しい思いをした経験があって、子どもには同じ思いをさせたくない、子どもを使って見返したいと願っている気持ちがありませんか?
子供は親の気持ちに敏感なので、親に対して罪悪感と自分の正直な気持ちの間で苦しむことになります。
もし「あなたのためだから」と言いたくなったら、まず「本当に相手のためなのか? 実は自分のためなんじゃないかな?」と自問自答してみてください。
親の想いや気持ちを伝えてもいいと思います。
ただ、「どうしたいかは自分で決めるといいよ」という最終判断を子供の自主性を尊重する表現に変えた方がお互いのためだと思います。
「みんなと仲良くしなきゃだめ」
「みんな」とは誰のことでしょうか?
世の中にはいろんな人がいて、それぞれ個性があるので、どうしても「仲良くなれない人」がいるのは、大人の世界も子供の世界も同じです。
もちろん、お互いを尊重しあうこと、色々な人とコミュニケーションをとれるスキルを身につけることは大切なことですが、「みんな」と仲良くしなければいけないと思えば、八方美人になるしかなく、相手に合わせようとすることで自分らしさ、個性、自信を殺すことにもなりかねません。
たくさんの友達との時間が好きな人もいれば、少人数でも心の通う友人がいれば満足という人、一人で自分の世界を掘り下げるのが好きな人もいていいと思います。
「いろんな子がいるね」「〇〇ちゃんと仲良くなれてよかったね」などと現在の交友関係や個性を尊重する表現にすることで、自信を持って楽しい毎日が送れるようになると思います。
「たまたまでしょ」
子供が成功を喜んでいる時に、調子に乗らないように(失敗した時に傷つかないように)という親心でついつい言ってしまいがちですが、一番身近な大人に能力を過小評価されてしまうと、自信を持つチャンスを失ってしまいます。
本当に「たまたま」だったとしても、運を掴む能力があったわけですし、「やればできる」という自信が花開くきっかけになる場合もあるので、まずはシンプルに「おめでとう」「良かったね」と成功を認めて誉めてあげましょう。
自分に自信がないと相手の粗探しをしてしまいがちです。
「たまたまでしょ」よりも「すごいね!私も頑張ろう!」とお互いにポジティブになれる表現を使うようにしましょう。
「もっと頑張れ!」「やればできる!」
思うような結果が出ない時に応援する気持ちで「もっとがんばれ!」と言ってしまいがちですが、「すでに頑張っている」人を否定し、追い込んでしまう場合もあります。
励ますつもりでの「やればできるんだから」という言葉も、同じように相手にプレッシャーを与えたり、逃げ場を奪う危険な言葉にもなり、結局何もやらない、できない大人になってしまう場合もあります。
同じ時間をかけて、同じことをしても、どこまでできるかは人によって違うので、自分の尺度を相手に当てはめようとするのではなく、
「がんばれ」よりも「がんばってるね」「よくがんばったね」と努力を認めた上で、思うような結果になっていない原因を一緒に考えてあげるといいかもしれません。
「育て方間違ったわ」「産むんじゃなかった」
思い通りにいかない子育てにイライラしてついつい発してしまいがちな言葉ですが、親自信も子供も傷つけてしまうとても悲しい言葉です。
子どもの反抗や問題行動は、「子育てをやり直すチャンス」と考え方をリセットしてみましょう。
「ここまで育ってくれてありがとう」「ママは、あなたのママになれて幸せ」と感謝を伝えつつ、子供なりに伝えているメッセージから、何が足りなかったのか子供と一緒に考える時間にしましょう。
「100点取れたら100円あげる」
どうしてもいうことを聞かない子供を「ごほうび」を使って動かすのは簡単ですが、使い方を間違えると逆効果になってしまいがちです。
いつもごほうびを与えていると、回を重ねるごとに少しずつエスカレートして、経済的な負担も大きくなりますし、「勉強をすればごほうび」がいつの間にか「ごほうびのために勉強」にすりかわってしまい、「ごほうびがないなら勉強しない」とやる気をなくしたり「ごほうびのためには手段を選ばない」と点数をごまかしたりするようになってしまうこともあります。
「すごいね。難しい問題も解けるんだね」と子どもの勉強意欲を引き出すような褒め言葉や夏休みに旅行へ出かけるなど、親子で一緒に楽しめる体験を「ごほうび」にする方が効果的かもしれません。
「パパみたいにならないでね」「あの先生はハズレね」
夫婦間で問題が起こらないことはあり得ませんが、子どもの前では「お父さん」であることを尊重してあげるようにしましょう。
ママが「お父さんに相談してみましょう」「パパのお仕事は大切なのよ」といつもパパを立てる発言をしていれば、子どもはパパを尊敬し「自分はすごく立派なパパの子どもなんだ」と自信を持つこともできます。
ママが幸せなら、子供はパパを尊敬し自分にも自信を持てるようになります。
学校の先生に関しても同じで、親が先生を否定するような発言をしてしまうと、子供は先生に敬意や信頼を持てなくなってしまいます。
先生が頼りなく思える時ほど「いい先生だね」と子どもに言い、学校行事などでは「先生を応援している」という姿勢を見せたほうが賢明です。
どんな人でも良い点は必ずあります。
「もう知らない!」
2歳ごろの「イヤイヤ期」は自我の芽生えで、子供は子供なりに自分が何をしたいのか、どうしたいのかを探し始めます。
まだ言語表現も上手くないので、どうしても感情表現が激しくなるため、周りにいる大人はどうして良いかわからず疲弊してしまいがちですが、こんな時に「もう知らない!」と突き放してしまうのは、子供の正常の発達を大きく阻害してしまいます。
子供は大人を困らせようとしている訳ではなく、自分がやりたいと思うことと現実とのギャップに困惑しているだけでなので、できるだけ自分でやらせてみて、見守り、必要に応じて手伝いをしてあげましょう。
お手伝いをする時も無闇に手や口を出すのではなく、「手伝わせてくれる?」と相手を立てる(相手に花を持たせる)表現を使うのがポイントです。
同じ原理で、「どっちにする?」と選ばせて自分で決めた感を持たせる「二択式作戦」や「イヤイヤ」を逆手に取って「〇〇しちゃダメだよ」という表現でこちらの思惑通りに動いてもらう表現が有効に作用する場合もあります。
「手のかかる子」ほど、想像力や自立心が旺盛な「見どころのある子」だともいえますので、その可能性を伸ばすには?と発想の転換をしてみると色々な接し方のアイデアが生まれてくると思います。
「叩くよ!」「悪い子だね!」
言葉で子供の行動を制するのは簡単ではありませんが、「しつけ」と称して体罰には頼るのは長い目で見るとデメリットしかありません。
近年の研究から、体罰からは「叩かれたという憎しみ」しか生まれないこともわかっており、体罰を受けた子は「悪いことをしたから叩かれた」と思うと同時に「悪いことをした相手には暴力を振るっていい」と考えるようになってしまうからです。
「自分が正しいときは暴力を振るってもいい」「自分の思い通りにならないときは力で解決したほうが早い」という考え方をするようになってしまうと、話し合いのできない大人になってしまいます。
実際に体罰をしなくても、「体罰」で脅して従わせようとするのは体罰をしているのと同じなので、しゃがんで子どもの目線と合わせて、冷静に説得(やめてほしいことを理由を添えて伝える)をして理解を求める努力をしましょう。
「このままじゃロクな大人にならない」
好きなことに夢中になるのはいいけれど、「このままじゃダメ」と自分基準で思ってしまうことはあります。
でも、欠点のない人間はいませんし、才能や個性は人ぞれぞれですし、将来どんな可能性につながるかは親の価値観や経験だけでは計れない時代です。
親がマイナスと思っているところに、実はその子らしい、いいところであることが隠れていることもあるのです。
人格や将来を大きく否定するより、小さく、直してほしい行動だけを具体的に指摘するほうが、子どもも聞き入れやすくなるので、まずは親がマイナスだと思っていることを、実は長所なんじゃないかと発想の転換をしてみるといいかもしれません。
例えば、「うるさい」→「元気」、「だらしない」→「おおらか」、「反抗的」→「想像力や自立心が旺盛」とかですね。
「置いていくよ」
何かに興味をひかれた時や遊びに夢中になって動かない時、「置いていくよ」と脅していうことを聞かせようとしてしまいがちですが、子供の発達を考えた時とても残念な結果になります。
「置いていくよ」と言われた子どもは、親から捨てられないように自分の気持ちを押し殺して親の言うことを聞こうとするようになり、やがて親の前でだけ「いい子のふり」をするようになる可能性もあるのだそうです。
また、最初は効果があっても「置いていくはずがない」とバレて、効き目がなくなる可能性も高いでしょう。
予定があり忙しいこともわかりますが、そんな時は時間を決めてでも、できるだけ子どもが飽きるまでとことんつき合ってあげ、「置いていくよ」の代わりに「一緒に行こう」という声掛けすることが子どもの知能や自尊心を育てる上で重要です。
子どもの歩くスピードが遅くなったときに「うわ、歩くの速いな!」とか「急いでくれてありがとう」という言葉のテクニックで誘導することも効果的な場合があります。
「何をやってもダメなんだから」
愛情と期待があるからこそ、「成功してほしい」を願うからこそ出てしまう言葉も、子供を傷つけてしまいます。
でも、失敗して本当に落ち込んでいるのは子供の方なので、「自信」や「自己肯定感」を育むために、「次がんばろうね」「できるよ。ゆっくりやってみよう」子どもも自分のいいところを伸ばそうとする表現に変えてみましょう。
「でも100点じゃないんでしょ?」「こんな問題もできないの?」
特に小学校までは、テストは学習した内容をどこまで理解できているか「到達度」をチェックするためのものだから、必ずしも点数にこだわらなくてもいいそうです。
「100点にはまだ遠い」と減点法で考えたり「あそこもここも間違ってる」などとあら探しをするよりも、「わからないことがわかったので一緒に勉強して、次はもっといい点をねらおう」と、子どものやる気を引き出す方向へ誘導してあげましょう。
テスト結果を見せるたびに叱られたら、子どもは自信を失ってしまいます。
自信がなくなると「自分は勉強ができない」「やってもムダ」と思い込んで、学習意欲もなくなってしまいますので、点数にはこだわらず、「難しいのにできたんだね」「すごい、がんばったね」「テスト中、静かに座っていられたのはえらい」「字が上手になったね!」など、いいところを探して褒めるようにしてみましょう。
普段の宿題や勉強を教える時でも同じです。
「なんでこれがわからないの?」「さっき教えたのに」ではなく、できたところを褒めて自信をつけさせることを優先しましょう。
「弟はできるのに」
身近なライバルであり簡単に離れられない兄弟と比べられるのは子供にとってとても辛いことに加え、単純に「いい子/悪い子」「優秀/劣等」で決めつけると、劣っていると言われた子は卑屈な気持ちになりますし、優れていると言われた子はそうでない子をバカにするようになってしまいます。
劣っていると言われたほうの自信は育ちませんし、優れていると言われたほうも誰かと比べなければ保てなくなり、不安定な自信しか持てなくなってしまいます。
兄弟とはいえ個性が全く異なるので、それぞれの子と「二人だけの時間」をつくることで、その子ならではの個性が見えてきますし、子どもも「自分をちゃんと見ていてくれる」「自分は愛情を持ってもらえている」と、わかってもらいやすくなります。
「先生に怒られちゃうよ」「あの人に叱られるよ!」
親が責任を持って叱るのと、「他人に叱られる」という注意では効果が全く異なります。
「叱られない子どもほど、不幸な子どもはいない」とよく言われますが、親が自分で叱らないのは「あなたがどんなふうに育っても私は知りません」という意味でもあり、子どもにとっては見捨てられ宣言と同じです。
悪いことをしたときに自分を思って親が本気で叱ってくれたという事実は子供の自信を育てるため、注意をするときは、子どもの目線まで降りて目を合わせ、しっかりした声で、短くきっぱり「いけません」を伝えることが重要です。
「○○ちゃんに比べたら」
「よその子と比べるのは良くない」と誰でも知っていますが、近所の同級生や同年代の子のことが気になってしまうのは仕方がないことです。
でも、世の中には、優秀な子、運動神経のいい子、勉強のできる子、見た目のいい子なんて、いくらでもいるため、比べていたらきりがなく、他人と比較し続けることは、子どもの自信を育てることにはつながりませんし、親の精神衛生上も良いことは何もありません。
他人との比較による減点主義でいると足りないところが目にいってしまうので、過去の本人と比べて、自分の子の成長や能力だけを見るようにすれば、ほかの子と比較してもすべてはその子の個性と思えるようになります。
簡単ではありませんが、「みんな違って、みんないい」という心で個人の成長を余裕を持って見守る努力をしましょう。
「グズグズしないでよ!」「さっさとしなさい!」
何事もスピードアップしてほしいと考えるのは親の都合でしかなく、毎日急かされていては子供も精神的に参ってしまいます。
こんな時はゲーム要素を取り入れて、子供が楽しんで自主的に急ぐように声掛けを工夫すると効果的かもしれません。
例えば、「早く着替えなさい」⇨「じゃあママとお着替え競争ね」とか、「早く寝なさい」⇨「寝たふりをしてパパをビックリさせちゃおうか」とか、「早く歩きなさい」⇨「アイス溶けちゃうから急ごうか!」とか。
時計が読めるようになったら、何時何分までに何をするか本人に決めさせてみたり、スケジュールを表にして見やすいところに貼るのも効果的ですが、もしスケジュールが守られなくても、行動を指示したり、責める言い方をしたりしないように意識しましょう。
例えば、「早く起きなさい」「ぐずぐずしていると遅刻するよ」ではなく、「今日は何時に家を出るの?」などと子ども自身が判断し、自分から行動を起こすほうが経験値があがって自信が育ちやすくなります。
「いい子にしなさい」
「いい子」とはどんな子でしょうか?
「大人にとって都合のいい子」は子供にはすぐに理解できませんし、人の顔色をうかがってばかりで自信のない大人に育ってしまいますので、してほしい行動をその都度具体的に教えるようにしましょう。
子どもに「ここはどういう場所?」「どんなふうにしてみると良いと思う?」と問いかけてみるのもおすすめで、「図書館だから静かに本を読む」「病院だから走らない」など、その場にふさわしい行動がわかれば自分で行動を変えられるようになります。
「だから言ったじゃない!」
ヒトは失敗から学ぶもの。
親としては「あれほど注意したのに」「だから言ったじゃない」「何度も言わせないでよ!」と責めてしまいがちですが、失敗にショックを受けている本人に追い討ちをかけるような言葉は百害あって一利なしです。
「だから言ったじゃない」なんて周囲がわざわざ責めなくても、失敗した事実から大人も子どもも「次はどうしたらいいか」考え、学ぶものです。
失敗や痛みの気持ちに寄り添うことで思いやりのお手本になることもとても重要だと思います。
「ジャマだからどいて」
「ジャマ」なのはいう側の勝手な都合です。
普段から「ジャマ」「どけ」と言われ続けた子どもは「自分は世の中にとってジャマな存在なのだ」と思い込まされてしまう可能性があります。
相手に何かを頼むときは、「相手がどうか」ではなく「自分がどうしたいか」とメッセージの主語を変えることがコツで、
「ジャマ、どいて(あなたは私のジャマをしているからどきなさい)」ではなく、「通らせてください」「そこをあけてもらえると助かるなあ」という依頼(お願い)言い方に変えることでお互いが気持ちよく過ごせます。
自分を主語にして、感情を伝えて、協力をお願いするという言葉のテクニックはあらゆる場面で有効で、例えば、具合が悪くて休んでいるときは「うるさい、騒がないで」⇨「ママは頭が痛いから今は静かにしてもらえるとうれしいな」と言い換えてみましょう。
「男のくせに」「女のくせに」
「男だから」「女だから」と性別に関する固定観念(大人の常識)で行動を変えさせるのは、子どもの自信を育てることにはつながりません。
男らしくする、女らしくするというのは行動のパターンでしかなく、それ以前に、誰にだって「自分らしさ」がありますので、個性を無理やり押さえ込んで性別に当てはめて育てようとすると「自分が悪い」「自分は生まれてこなければ良かった」と思う原因になりかねません。
叱るときは、性別を持ち出さず「人としてどうか」にフォーカスして「そのマナーどうかな?」 と言い換えてみたり、「あなたらしくていいよ」 と「自分らしさ」を気づかせてあげるきっかけにすることも大切だと思います。
「だらしないわね!」「片づけなさい」「きちんとしなさい」
親の期待に応えるためにやりたいことをガマンしてストレスをためている「きちんとした子」としわくちゃのシャツで生き生きと笑顔で走りまわっている「だらしのない子」がいたとして、どちらがいいでしょうか?
制約ばかりでは子どもの自信が育ちませんし、ハードルを下げたほうが子供らしさが出てみんなが笑顔になれます。
「片づけなさい」「きちんとしなさい」と頭ごなしにいうのではなく、一緒に手を動かしながら「シャツの裾はしまおう」「オモチャのおうちはどこかな?」「靴をそろえてね」「本を読んだら元の場所に戻してね」などと具体的に示してあげ、子どもがきちんとできたときには「きれいだとうれしいね」「こっちのほうがカッコイイ」とほめてあげることで子供が自分で考え、自分の意思で「きちんと」できるように時間をかけて育てていきましょう。
「あなたは不細工だから」
美人やイケメンをつくるのは、作りそのものよりも「自信」、いつも笑顔で心が綺麗な人は魅力的です。
とはいえ、「あなたは不細工なんだから、愛嬌が大事。笑顔でいなさい」というような言葉は、「ダメだ」という前提が子どもの心を傷つけるため避けるようにしましょう。
容姿に対する批判は、その場でそれほど傷つかないふりをしていても、心の奥からじわじわと自信をむしばんで大きなコンプレックスにつながりますので、良いところを見つけて褒め、自分の容姿に自信を持てる言葉を普段から使うことが大切です。
「バカじゃないの?」
「バカだなあ」「アホ」とツッコミを入れるのは健全なコミュニケーションですが、日常的にけなされると、「自分はバカだ」と思い込んで自信を失ってしまいます。
あの発明王エジソンは、子どものころ周囲に「バカ」と思われていたことは有名ですが、母親だけは「あなたはバカじゃない」と言い続けて熱心に教育した結果、発明王の誕生しました。
もし、エジソンの母親が「うちの子はバカだから」と決めつけていたら、電球などの発明の数々は世に出なかったかもしれません。
「バカ」と言いたくなる行動を変えてほしいときは、ほめた後に「天才のキミには今はこうしてほしいな」と、具体的に「お願い」するとスムーズにいくことが多いですし、気づかなかった才能がみつかるかもしれません。
「泣くな!」
赤ちゃんでもないのにすぐ泣く子は、繊細で人の気持ちに敏感なのだそうです。
よく「ママが気持ちを代弁してあげながら、じっくり聞いてあげましょう」と言われますが、自分の気持ちをきちんと言葉にできるようになれば、泣いて訴えることが自然と減っていきます、
代弁が難しい時は「気が済むまで泣けばいいよ」と受け止めてあげることで安心してすぐに泣き止むこともあります。
「涙とともにストレス物質が体外に出る」という研究結果もあり、泣くこと自体は悪いことではありませんので、思い切り泣かせて、ストレスを発散させるというのも一つの方法として認めてあげましょう。
「なんで言うことを聞けないの?」
遅刻しそう、部屋が散らかっている、宿題をやらない、何度も注意しているのに無視して同じ行動を繰り返す場合に、「なんで言うことを聞けないの?」と強く叱ってしまいがちですが、質問形での注意は危険です。
親側の都合で子どもを思い通りに動かしたいだけであり、本当に言いたいのは「なんで言うことを聞けないの?」のではなく、「言うことを聞きなさい」ですよね。
子どもだってすぐに切り替えるのは難しいので、子どもの様子を見て「それが終わったら○○しよう」など予告の言葉を挟みながら、やってほしいことを具体的にお願いするようにしましょう。
また、言うことを聞いてくれた場合は、「ありがとう、きれいになったね。うれしいよ!」と感謝の言葉も忘れずにすると、喜んで次も動いてくれるようになります。
「何やってんの?」
転びそう、落としそう、危ない、と注意しているときに限って、なぜか必ずその通りに失敗するので、思わず「何やってんの!」と言ってしまいますが、命にかかわるようなことではない限り、言い分も聞かずにいきなり「何やっているの!」と切り捨てたのでは、気持ちが萎縮し、自信が育たなくなってしまいます。
一見どんでもなく見える行動でも、それなりの理由がありますので、理由をちゃんと聞いてから、理論的に叱るようにしましょう。
「早く宿題しなさい」
毎日の宿題くらい言われなくても始めてほしいものですが、「宿題したの?」「早く宿題しなさい!」叱り続けていては疲れてしまいます。
「宿題をやってから遊びに行きなさい」とルール化しようとしても、できる子はテキパキとすばやくできちゃうから遊ぶ前にできますが、宿題に時間がかかってしまう子の場合、「遊ぶ時間がなくなるから無理!」となってしまいます。
さりげなく「今日は楽しかった? ところでどんな宿題が出たの?」と話を振って自分で「やらなきゃ」という気持ちになれるようにする、「何時から宿題タイムなの?」と問いかける、など自主的にやりたくなるような工夫が必要かもしれません。
言われなくても自分から宿題を始めているのを見かけたとき、「がんばってるね」とほめてあげると「明日もちゃんとやるね!」に変わるかもしれません。
「どうせ無理だよ」
子どもの可能性は無限大だと言いますが、無謀なチャレンジをして、失敗したらかわいそう、子どもを傷つけたくない、現実を見てほしくて、という気持ちで「どうせ無理に決まっている」「できっこないからやめなさい」と言ってしまうことがあります。
でも、頭ごなしに否定してしまうと子どものチャレンジ精神を殺してしまいますので、「どうしたらできるか考えてごらん」「やってみようか」「挑戦してごらん」など意欲を後押しする言葉に変えるようにしてみましょう。
子どもは知恵を絞り、成功する方法を一生懸命に考えますので、その経験が持って生まれた能力を伸ばし、親には想像もできないような成功を掴む可能性は多いにあります。
挑戦した結果が、残念ながら(または予想通り)失敗だったとしても、自分の意志で決めたことは無駄にはなりませんし、努力したことは体験として残り、次に何かに挑戦するときに役立ちます。
未来は誰にもわからないし、人生に残された時間は、子どもたちのほうが圧倒的に多いため、可能性がゼロでないならつぶさないことのほうが優先されるべきだと思います。